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2006-11-19, revised on 2012-06-08, 2013-06-20, 2014-01-26, 2021-06-27.

数式の書体について

対象書籍「金融工学入門」p.27の式(2.4)において、変数xは、イタリック体である。 変数xの添字の1は、立体である。変数xの添字のnは、イタリック体である。

上に示した書体の使い方は、次に示す書体の使い方と一致している。

本書では, 量記号つまり値を変える定数, 変数, 関数, 添字などを表す記号は, すべて斜体(イタリック)で印刷し, 値を変えない定数(例えば円周率π, 虚数単位i, 自然対数の底eなど), 演算記号(例えばsin, 微分を表すdなど)および単位記号は, すべて立体(ローマン)で印刷してある。
(出典 大崎順彦、新・地震動のスペクトル解析入門、鹿島出版会、1994、p.vii、ISBN4-306-03270-1 )
(注 原典ではπは斜めになっていない。)

本サイトでも対象書籍で行なわれているように数式の書体を設定しようと考えたが、 ローマ字と数字のイタリック体はコンピュータで使われているモニタでは見にくいので、 見やすさを優先し本サイトでは数式における量記号をイタリック体にしない。


2013-06-20追記

上記と同様の記述を見つけたので以下に示す。

eが重要な定数であることについては異論はあるまい. そして国際標準化機構(ISO=International Organization for Standadization) では,このように意味の定まった定数は,イタリック(斜体)でなくローマン(立体) の記号を使うように定めてあり,数学記号に関するJISも,それに合わせて, 立体を使うように改定された.そこで本書でもeは立体の活字を使うことにしてある. (出典 森口繁一、数値計算術、共立出版、1987、p.12、ISBN4-320-02381-1 )

2014-01-26、追記

上記と同様の記述を日本工業規格に見つけたので以下に示す。

JIS Z 8202-0:2000(ISO 31-0:1992)、量及び単位-第0部:一般原則 (出典 http://www.jisc.go.jp/)

3. 記号及び数値の印刷に関する推奨事項
3.1 量記号
3.1.1 記号 量記号は,一般的にラテン語又はギリシャ語のアルファベットの一文字であるが,場合によ
っては,添字又はその他の修飾用符号を付けることができる。これらの量記号は,(本文の他の部分で使用
されている書体とは関係なく)イタリック体(斜体)で印刷する。
  例えば,文章の末尾におけるような通常の句読点以外は,記号の後に終止符を付けない。
    備考1. 量記号は,JIS Z 8202-18202-10JIS Z 8202-12及びJIS Z 8202-13で示す。
        2. ベクトル量及びその他の非スカラー量用の表記法は,数学記号に関するJIS Z 8201による。
        3. 例外的に,2文字からなる記号がときに次元1の量の組合せに用いられる(例えば,レイノ
           ルズ数,Re)。このような2文字の記号が積の因数として表すときは,それらを他の記号か
           ら離すことが望ましい。
3.1.2 添字の印刷についての規則 与えられた一つの文脈中で,異なる量が同一の文字記号をもつとき,
又は一つの量に対して,異なる用途又は異なる値が対象となるときは,添字の使用によって区別をするこ
とができる。
  添字の印刷については,次の原則を推奨する。物理量に対して記号を表す添字は,イタリック体(斜体)
で印刷する。
  その他の添字は,ローマン体(直立体)で印刷する。
直立体添字 斜体添字
Cg(g:気体) Cp(p:圧力)
以下略
    備考1. 添字としての数は,ローマン体(直立体)で印刷する。ただし,数を意味する添字としての
記号の文字は,通常イタリック体(斜体)で印刷する。
        2. 添字の使用については,JIS Z 8202-6及びJIS Z 8202-10の特記事項も参照。

日本工業規格、JIS Z 8201-1981、数学記号 (出典 http://www.jisc.go.jp/)

5. 印刷上の注意 印刷する場合の字体は,次のようにする。
  (1) 数値が一般的に定められている定数の記号は,原則として立体とする。
       :Π (円周率)
  (2) 演算の記号は,原則として立体とする。
       :log (対数)
           dx (xの微分)
  (3) 変数の記号は,斜体とする。
       x,y,z

2021-06-27 追記

奥村晴彦・黒木裕介、改訂第8版 LaTeX2e美文書作成入門、技術評論社、 2020、p.100、ISBN978-4-297-11712-2 には、次の記述がある。

5.22 ISO/JISの数式組版規則

昔からの数式の組版規則では,

・数字はローマン体にする(3.14 でなく 3.14)
・複数文字からなる名前はローマン体にする(sin x でなく sin x)
・単位記号はローマン体にする(3m ではく 3 m)

というルールになっています。

(中略)

しかし, ISOやJISの流儀では, 1文字でも演算子や定数はローマン体にする
ことになっています。
  

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